腰椎椎間板ヘルニアとは?15の症状と原因について

”腰痛持ちだけど、私って実はヘルニア?”

”知人に椎間板ヘルニアではないかと言われた!”

このように、今お持ちの症状に不安に感じていませんか?

腰椎に起こる椎間板ヘルニアは普通の腰痛とはかなり違う様です。

この記事では、腰椎椎間板ヘルニアとはどんな病気なのか?その原因と症状についても詳しくお話ししていきます。

腰椎椎間板ヘルニアとは?

椎間板の写真

腰椎椎間板ヘルニアは、背骨と背骨の間にある椎間板という組織が脆くなることで起こります。

椎間板の繊維に亀裂が入ってしまうと、中心部分にある髄核(ゼリー状の物質)が圧力によって外に飛び出そうとします。

髄核は腰椎の構造上、後ろに突出する事が圧倒的に多く、この現象を「ヘルニア」と呼んでいます。

坐骨神経とヘルニア

椎間板の真後ろには脊髄神経が通っていて、それが運悪くヘルニアに当たってしまった場合に症状を起こします。

これを腰椎椎間板ヘルニアと呼びます。

腰椎の脊髄神経は、坐骨神経となり下半身全体に張り巡らされているため、腰から下に痛みや痺れの症状を起こす事になります。

腰椎椎間板ヘルニアの原因

そもそも椎間板自体がもろい組織である

実は椎間板の柔軟性は20歳がピークで、そこから一気に老化していくのです。

その理由として、椎間板自体に血管が通っていないことにあり、これによって、組織の修復ができないためこのようなると考えられています。

椎間板にかかる圧迫ストレスが大きい

人間は寝ている時間以外、座位か立位で生活をしています。

このように1日の大部分を、背骨が直立状態で生活している以上、腰には上下から常に圧力がかかり続けています。

腰椎は他の関節に比べ可動域が大きい

体幹の動きで最も大きく動くのが腰椎部分です。

例えば腰の屈伸や左右のひねりなど、日常生活やスポーツでも大きな動きが伴う部分です。

また背骨の土台部分でもあるため、上半身からの圧力が大きくなります。

その部分に動きが伴うとなると、椎間板にかかる負荷は計り知れない事が容易に想像できるでしょう。

背骨の歪みで椎間板のストレスが増大する

ここまでの3つは、そもそもの体の構造的不利によるものでしたが、この要素に背骨の歪みや腰椎のズレが加わってしまう事が原因で、腰椎椎間板ヘルニアのリスクが更に加速してしまいます。

その理由は、椎間板が圧力を分散できなくなってしまい、亀裂発生の原因となってしまいます。

腰椎の弯曲(わんきょく)に問題がある

腰椎は生理弯曲と言って、正常姿勢では前後に軽くS字カーブを描いているのが正常です。

腰椎部分で前弯(反り腰)が強すぎたり、真っ直ぐで弯曲がなくなってしまうと、これも椎間板には大きな負担がかかってしまいます。

腰椎椎間板ヘルニアが疑われる15項目の症状チェックリスト

まずは今のあなたの症状を、以下の15項目のチェックリストと照らし合わせてみましょう。

合計点数に応じて、軽症、中等症、重症に分類しています。

あくまで目安となりますが、点数が上がればそれだけ椎間板ヘルニアの可能性が上がります。

1. 片側の腰からお尻にかけて痛みがある1点
2. 片側の太ももから足にかけて痛みがある1点
3. 足に灼熱感がある(異常に熱く感じる)2点
4. ふくらはぎや足裏の感覚が鈍い2点
5. 足のつま先が上がりにくい2点
6. 太もも上げが腰の高さまでいかない1点
7. 足のつま先立ちがしにくい、できない2点
8. 腰を反ると片側の下半身まで痛みやしびれが起こる2点
9. 腰を左右に捻ると片側の下半身まで痛みやしびれが起こる3点
10. 立ち上がり時に腰から足に激痛が起こる2点
11. 息を止めて力むと腰から足まで痛みやしびれが起こる3点
12. 階段を登る時に足を上げにくい2点
13. ずっとコルセットをしている1点
14. 少しの動き(寝返りなど)で下半身に激痛が起きる4点
15. 痛みがある方の足に体重を載せられない、載せると痛い3点

5点以下/32点 軽症

6点〜10点/32点 中等症

11点以上/32点 重症

椎間板ヘルニア症状の特徴

これらの症状からもわかるように、片側の腰から足にかけて痛みや痺れが起きるのが、いわゆる坐骨神経痛という症状で、椎間板ヘルニアで起こる症状のひとつです。

普通の腰痛と違う点は、椎間板によって神経の圧迫が起きているので、腰痛に加えて下半身の神経症状が追加されるところにあります。

神経症状とは、神経の走行に沿った症状という意味で、痛み、痺れ、灼熱感、感覚の変化、感覚消失、腱反射が弱くなるなどがあります。

また、神経の圧迫状況に応じて、痛みや痺れの症状は悪化します。

軽症だと、おもむろに動きでジワーッと起きるような痛みですが、重症に陥ると少しの動きで電気が走るような激痛が起きます。

そして椎間板ヘルニアの最大の特徴は、ヘルニアが起きている場所によって圧迫される神経も変わり、症状の出る箇所が変化するところにあります。

もしMRI画像を撮ったことがあり、担当医師に確認できるのであれば、ヘルニアが起こっている場所がどこなのか、もう一度聞いて見るのが良いでしょう。

ここでは、椎間板ヘルニアの場所によって、それぞれどのような場所に痛みや痺れ、腱反射の低下が出るのかを詳しく見ていきます。

第3/第4腰椎間の椎間板ヘルニアで起こる症状

腰椎3番と腰椎4番の間の椎間板ヘルニアで、神経が圧迫されると、

筋力低下:足首を上げる筋肉(前脛骨筋)に力が入りにくくなります。
知覚鈍麻、麻痺の領域:
太ももの前側、すねの内側、内くるぶしと足の親指側の皮膚感覚に異常が起こります。
腱反射の低下:
膝蓋腱反射(膝の下を打つと足が跳ね上がる反応)が低下、又は反応がなくなります。

第4/第5腰椎間の椎間板ヘルニアで起こる症状

腰椎4番と腰椎5番の間の椎間板ヘルニアで、神経が圧迫されると、

筋力低下:足の親指を上げる筋肉(長母趾伸筋)に力が入りにくくなります。
感覚鈍麻、麻痺の領域:すねのやや外側、足の甲、足の人差し指・中指・薬指、そして足裏の皮膚感覚に異常が起こります。
腱反射の低下:このヘルニアでは腱反射の低下は起こりません。

第5腰椎/第1仙椎間の椎間板ヘルニアで起こる症状

腰椎5番と仙骨の間の椎間板ヘルニアで、神経が圧迫されると、

筋力低下:腓骨筋という筋肉が影響を受け、足首を外側に動かせなくなります。
感覚鈍麻、麻痺の領域:足の外くるぶし、足の小指側の皮膚感覚に異常が起こります。
腱反射の低下:アキレス腱反射(アキレス腱を打つと足首が下に動く反応)が弱くなったり、反応が無くなったりします。

椎間板ヘルニアの人が絶対にやってはいけないこと

長距離のジョギング

足裏からの突き上げ刺激により、椎間板に負荷がかかってしまいます。

腰を動かすハードな運動

腰椎は、背骨の中でも動きが大きい部分のため、体幹を大きく動かす様なスポーツは椎間板ヘルニアの悪化を招きます。

ウエイトトレーニング

重量物を上げる動作の際、腹圧が急激に上がります。

その影響で椎間板にも圧力がかかり、神経圧迫を助長してしまいます。

強い刺激のマッサージまたはストレッチ

腰の筋肉を緩めるために、強い刺激で腰をマッサージしたり、腰を強くひねるなどのストレッチする行為も危ないのでやめましょう。

腰椎の歪みやズレを助長し、椎間板に負荷がかかる原因となります。

高いヒールを履いて歩く

椎間板ヘルニアの人が腰を反らせる行為は、椎間板に圧力がかかるためNGです。

高いヒールを履くとかかとが上がり、骨盤が前傾して結果的に反り腰になるため、できるだけ履かない様にするか、低いものに交換しましょう。

まとめ

このように、椎間板ヘルニアには様々な特徴的症状が起こります。

難しい内容も含まれていましたが、ここで何が言いたいかというと、一般の方でも単なる腰痛かそうでないかをしっかり見極めてほしいということです。

なぜなら腰痛ではやっていいことでも椎間板ヘルニアなら逆効果になってしまうことがあるからです。

一番良い方法は、病院に行って詳しく検査をしてもらうこと。そして、実際に問題が出ている部分の症状と一致をしているのかをしっかり確認してもらうことです。

そうすることで正しい治療を選んで治していくことができます。

 

最終的に治療法を決めるのはあなたですから、しっかりと自分で確かめながら専門家と協力して正しい治療を進めていきましょう。

コメント

  1. […] 詳しくは、神経の圧迫によって起こる特有の症状を参考にしてみてください。 […]

  2. […] 椎間板ヘルニアが神経を圧迫する様子を画像で解説 […]

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