腰痛を長年持っているとある時からお尻や太もも、そして足の方にかけてしびれなどの違和感が…。
これは今までの腰痛ではなさそうと思ったことはありませんか?
この場合、病院では坐骨神経痛と診断されるケースが多いですが、この坐骨神経痛って一体なんなんでしょうか?
この曖昧な表現についてその謎の全てを紐解き分かりやすく説明していきます。
では、
”坐骨神経痛”というのはどんな症状が出るのか?
坐骨神経痛の原因となっている病気についてお話ししていきます。
坐骨神経痛とは?
下半身にはたくさんの神経が張り巡らされて足の筋肉を動かしたり、感覚を感じたりしていますが、それらの神経は腰の背骨の隙間から出ています。
その神経がお尻の所で集まって一本の太い神経になって下半身に伸びています。
その神経のことを坐骨神経と呼びます。
太さ約1cmで小指ほどの太さがあり、その坐骨神経が何らかの原因によって刺激を受け続けると、お尻から太もも、ひどい場合は足の先にまで痛みやしびれの症状が出ることを坐骨神経痛と呼びます。
しかし一般的に言われている坐骨神経痛というのは、お尻や太もも、足に広がる痛みやしびれの総称として使われ、原因によって細かい症状自体も違ってきます。
坐骨神経痛になると出やすい症状
片側の下半身にしびれが起こる
お尻や太ももの裏、または太ももの前などにしびれのような感覚を起こします。
腰椎やお尻の筋肉によって坐骨神経が圧迫を受けた時にでる症状がこれです。
基本的に片側に起きることがほとんどで、両側に出ることは稀です。
太ももやふくらはぎの感覚に違和感を感じる
両方の太ももを同じ強さで触った時に、右と左の感覚が違うことがあります。
特に絵筆のようなもので皮膚表面を軽く触れると明らかに感覚の違いを感じます。
このような症状も坐骨神経痛の症状として起こります。
灼熱感がある
お尻や太ももの奥が燃えたぎるような何とも言えない不快感を感じます。
これも神経痛症状の特徴です。
足の筋肉の筋力低下が起こる
神経圧迫を受けている筋肉の筋力の低下が起こります。
簡単にいうと力を入れても思うように力が入らなくなる、足を上げようと思ってもうまく足が上がらなくなるといった症状です。
これは病院で検査をすると、左右で明らかな差を感じることができます。
検査としては座った状態で足首の背屈する、膝関節を伸ばすテストを行うと分かります。
お尻を触った時に足に痛みやしびれを感じる
お尻のちょうど真ん中部分に坐骨神経が走っており、その場所を指で圧迫すると強い痛みや脚の方にしびれを感じることがあります。
前屈するとお尻や太ももに痛みやしびれが出る
坐骨神経痛があると前屈し始めてからある部分で痛みやしびれを感じ、それ以上前屈できなくなります。
これは坐骨神経が前屈をすると伸ばされるからで、圧迫がなければ太ももの裏やふくらはぎが伸ばされる程度の感覚です。
足裏の感覚に違和感を感じる
坐骨神経痛は足裏にまで感覚の変化が起きることがあります。
片方だけ薄い靴下を履いている、または片方の足の裏に紙が一枚挟まっているような違和感を感じます。
腱反射の低下が起こる
”腱反射”って聞きなれない言葉ですが、多くの人が今までにこの検査をした経験はあるはずです。
足を浮かせて座った状態で、膝小僧の少し下の部分にハンマーのようなもので軽く叩かれると足先がピクンと動くという検査です。
腱反射とは膝やアキレス腱をハンマーなどで刺激すると、自分の意思とは関係なく筋肉が一瞬緊張する”反射”を利用した検査ですが、正常であるとそのように筋肉の反応が一瞬起こって足がピクンと動きます。
しかし坐骨神経痛になっている場合、この腱反射は鈍くなるか全く起こりません。
これは自分自身で検査ができないので、医療機関で検査してもらう必要があります。
坐骨神経痛が起こった時に考えられる病気
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎と腰椎の間にある椎間板が潰れて後方に突出する病気を椎間板ヘルニアと言います。
ヘルニアが神経を圧迫すると、その神経に沿って坐骨神経痛が出ます。
椎間板ヘルニアについて詳しく知りたい方はこちらを参考にしてみてください。
腰部脊柱管狭窄症
腰椎の後ろに脊髄神経の束が通る管のことを脊柱管と言いますが、その管に付着している組織が分厚くなって狭くなり、神経を圧迫する病気のことです。
これも椎間板ヘルニアと同じような坐骨神経痛を発症します。
脊柱管狭窄症について詳しく知りたい方はこちらもチェックしてみてください。
腰椎すべり症
腰椎が前方(お腹側)に滑ってしまう病気です。
綺麗な背骨の配列が乱れてしまい、その結果脊柱管が狭くなって神経を圧迫し坐骨神経痛を発症します。
梨状筋症候群
これは筋肉が坐骨神経を圧迫する病気です。
坐骨神経がお尻の中央部を通るその場所に梨状筋という筋肉がそれを遮るように通っています。
ただでさえ隙間がない場所に、それぞれが位置しているため、梨状筋が硬くなると、それによって坐骨神経に触れてしまい圧迫を起こしてしまいます。
仙腸関節炎
骨盤を作っている3つの骨にはそれぞれ関節があり、左右お尻のあたりに仙骨と左右の骨盤を繋ぐ「仙腸関節」というものがあります。
通常はほとんど動かない関節ですが、姿勢の悪さや女性の出産などで関節が緩くなると、炎症を起こしやすくなります。
炎症を起こすと、腰痛だけではなく足に広がる痛みやしびれを感じ、坐骨神経痛と似た症状を起こします。
原因不明の坐骨神経痛
上記の様に病院で病名が告げられる、いわば原因がはっきりしている坐骨神経痛は全体の15%と言われており、残りの85%は原因がわからないのが現状です。
たとえ坐骨神経痛という診断が降りても、これは症状名であって、痛みの出どころが分かっているわけではないのです。
よって具体的な治療法は模索しながら行いましょうということなんです。
要するに、病院ではこの坐骨神経痛のほとんどが、何が原因で起こっているのか分からないということになります。
ここに、坐骨神経痛がなかなか治らないと言われる理由があるのです。
しかし、これはお医者さんの視点から見た話であり、決して坐骨神経痛が治療できないということを言っているのではありません。
病院の検査で使うレントゲンやMRIでは読み取れないものがあります。
たとえば、骨盤や背骨などの微妙なズレなどは病院の検査ではわからないのです。
しかしこのような微妙なズレであっても、神経に触れてしまうと坐骨神経痛の症状が出てしまいます。
多くの専門家はこれらを全て含めて坐骨神経痛と呼んでいるのです。
まとめ
このように坐骨神経痛とは痛みの総称であり、それだけではすごく曖昧な表現になってしまいます。
曖昧だからこそ、原因がうやむやにされてしまいます。
前述の通り、坐骨神経痛の中で画像検査によって異常が確認できるものは、全体の15%です。
残りの85%は検査で異常が確認できないものになります。
その場合は、さらに詳しい検査を行う必要があります。
まず、治療初期の段階は腰に詳しいお医者さんや整体師など専門家の力を借りながら、原因となる問題が潜んでいないか探してもらいましょう。
原因が絞れたら、専門家による治療と自宅ケアの両方で、それを徹底的に治していく、改善していく努力を怠らないことです。
そうすれば坐骨神経痛の症状は次第に変化していきます。
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