脊柱管狭窄症で手術をしてはいけない理由

数年前から腰の痛みをを患い、今度は下半身にしびれのような症状が強くなってきた…。

病院へ行くと「腰部脊柱管狭窄症」という謎の病名を伝えられる。

ただの腰痛から症状が次第にひどくなり、いよいよヤバいと思って病院に行くと、このような病名を初めて聞くというケースを多くの人が経験しています。

あなたもその1人ではないでしょうか?

聞いたことのない病名なので、なんだか戸惑い、大きな恐怖感を感じてしまい、担当医師の言われるままに治療方針を決めてしまう。という事が後を絶たないのです。

これでは正しい治療の選択はできず、「手術をしてみてはどうか?」と医師に言われれば、「それで治るのであれば。」と早々に書類にサインをしてしまう。ということにもなりかねません。

そこで今回は、脊柱管狭窄症は手術が必要な病気なのか?について深く切り込んでいきます。

脊柱管狭窄症で手術が必要な場合はどんな時?

結論から言うと、脊柱管狭窄症の治療で手術が必要なケースは極めて稀です。

しかし、一部のケースで脊柱管による神経の圧迫が進行している場合、やむをえず手術の選択を余儀なくされます。

その場合のケースについていくつか紹介します。

MRI画像で神経圧迫が明らかな場合でかつ症状と原因が一致している時

病院でのMRI検査によって脊髄神経の圧迫が発見された場合、その場所が重要になります。

圧迫を受けているであろう神経と、実際に症状が起こっている下半身の場所が一致しているかどうかを見極める必要があります。

もし違っていれば、今の症状が脊柱管狭窄症によるものとは違う可能性があります。

体の仕組みとして、下半身の神経分布は体のどの場所を支配しているか予め決まっています。

よって特定の神経が圧迫を受けると、その神経が支配する領域の感覚鈍麻、筋力低下、腱反射の低下、または反応がないということが必ず起こります。

詳しくは、神経の圧迫によって起こる特有の症状を参考にしてみてください。

神経の圧迫によって起こる特有の症状

間欠性跛行がひどい場合

間欠性跛行の頻度少なかったり、軽い場合は別ですが、例えば50メートルほど歩いて止まってしまうような状態なら、強い脊髄神経の圧迫が疑われます。

その際は手術が必要なことがあります。

排尿障害、排便障害が出た場合

坐骨神経痛が始まってから尿が出にくくなったと言うような、排尿障害や排便障害も脊髄神経圧迫が強い場合に出る症状の一つです。

これ以外にも男性の場合は、勃起不全を起こすこともあります。

この理由は、腰椎より下の仙骨から出る神経の圧迫によって膀胱や生殖器の機能が阻害されるからです。

腰部脊柱管狭窄症が悪化した場合、急にこのような症状が出ることがあります。

この場合も手術が必要なことがあります。

手術をする事で起こりうるリスクと後遺症

同意書を求める医師

このように手術が必要なケースというのは、状況が深刻な場合に限るというのが私の意見です。

よってそれ以外の症状(症状はあるがそこまではひどくない)では、手術の選択というのは慎重になる必要があります。

その理由は、脊柱管狭窄症の手術が後々大きなリスクとなるからです。

ではそのリスクと起こりうる後遺症についてお話しします。

手術中に神経を傷つけてしまう

当然脊髄の周辺にメスを入れるのですから、すぐ近くの神経を傷つけてしまうというリスクがあります。

神経に傷がつくと、手術後に今までなかった様な感覚異常や筋力低下などが起こってしまいます。

感染症が起こってしまう

手術環境は万全でもどうしても感染症のリスクはあります。

最悪の場合、髄膜炎や敗血症を併発してしまう危険性もあります。

腰の大切な筋肉に傷をつけてしまう

背中からメスを入れて背骨に到達するまでに背中の筋肉が妨げになります。

その際はメスで筋肉を切ることになります。

しかしこれらの筋肉は、背骨の支えや動きに関与する重要な筋肉なので、その機能がなくなると手術後の体の動きに問題を起こしてしまいます。

手術が成功したはずなのに手術後に別の問題が出てしまう悲劇

腰の診察を受ける女性

「手術が成功して症状が回復し普通に歩けるようになったが、数ヶ月後にまた別の症状が現れだした…。」

当整体院の問診でこんな患者様の話をよく聞きます。

今まではなかった足の痛みと痺れが出てきて次第にその症状が強くなり、病院で再度MRIを撮ってもらっても「異常がないので治療のしようがない」と言われた。

こんなことが起こってしまうのです。

検査で異常がなければ病院側はこれ以上の治療はできず、どうする事も出来ません。

手術前とは別の症状で今も苦しみ続ける方は多いのです。

脊柱管狭窄症の根本的問題は手術では解決しない!

手術というのは問題の場所に直接手を加えることにより、症状の改善を期待するために行われますが、脊柱管狭窄症の問題は複雑です。

というのもこの病気の背景は、腰単体の問題というよりも、下半身全体の問題が発端となっていることにあります。

長きに渡りその問題が引き継がれて、結果的に腰部の脊柱管が持たなくなって起きていると考えると、どうしたって腰だけを見ていては解決できないのです。

手術をした後に他の場所に痛みやしびれなどの症状が再発する理由は、手術をした部分とは別の根本的な原因があり、それが取り除かれていないからです。

脊柱管狭窄症を手術以外で治す方法とは?

あまりにも症状が酷く、すぐにその症状を取り除く必要がある場合、手術は有効な手段になりますが、

それ以外のケース、腰痛やしびれはあるがまだそこまでひどくはない場合や、原因がよくわからない(症状と問題箇所の因果関係が結びつかない)場合は、はっきり言って手術は今選択するタイミングではありません。

脊柱管狭窄症患者の多くは、腰椎と骨盤(仙骨)に問題があり、このようにして起こっています。

脊柱管の病変と治療

【腰部脊柱管狭窄症のメカニズム】
仙骨が前方へお辞儀をするように傾くと腰椎全体の傾きが強くなる。
その上の腰椎の傾きも強くなり、その傾斜によって前に滑り出す。これによって、腰椎全体の配列が乱れ、脊柱管の一部が前に押し出される。すると中の脊髄神経が圧迫され症状が現れる。
【脊柱管狭窄症の症状を軽減させる方法】
①’仙骨の傾きを戻すことによって、腰椎の傾斜を緩やかにする。
②’前に押し出された腰椎を後ろに戻すと、脊柱管のねじれが軽減され、脊髄神経の圧迫ストレスが軽減される。

このように仙骨の傾きを安定させて、腰周りの筋肉をしっかり使える様にしてあげることで、脊柱管にかかる圧力から解放されることがあります。

そうすることによって症状が回復に向かっていくのです。

正しい治療を選択して確実に治癒に向かうための考え方

ここまで読み進めてもらって、脊柱管狭窄症のことをよりよく理解できたと思いますが、もしどうしても手術を選ばなければならないという方に、再度お伝えしておきます。

「手術は緊急性、その後は予防と再発防止の治療に努める」

手術をしたからといって安心してはいけません。

手術はあくまでその場の問題を一時的に解決したに過ぎません。

この先は少しでも快適に過ごしたいと考えるのであれば、本当の原因「腰にかかる負担を取り除く事」を何より第一に考えなければなりません。

そうして初めて症状の問題は解決の方向に向かっていくのです。

いかがでしたでしょうか?

14年の経験に基づいた私なりの考えをできるだけお伝えさせいていただきました。ぜひあなたの健康生活にお役立てください。

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コメント

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