一般的に周りの人の話や病院の先生から伝えられる変形性膝関節症の原因で言われていること、
それは・・・
「老化現象」です。
これは一言で片付けやすくとても都合のいい言葉なんです。
なぜなら、間違いではないからです。
体が老化していくのは事実ですし、それを皆さんが自覚していることなので受け入れられやすいのです。
でも考えていただきたいのは、それが変形性膝関節症の原因の全てではないということです。
すなわち言い換えると、老化現象は原因の一部に過ぎないということです。
もう少し突っ込んで言えば、もっと重要なことが他にもあるということになります。
そこに目を向けようとせずにただ目に見えやすい、よく知られている原因を表に出して、それが全てかのように言っている人が大多数です。
まずそれを強く信じている時点で、変形性膝関節症は治ることはないし、生涯自分の足で歩き続けると言ったことは夢物語になります。
今回私が言いたいのは、他の原因を知ってそれを少しでも排除することで、変形性膝関節症悪化のリスクは減らせるということです。
実は、老化現象以外の膝に悪影響を与える大きな原因が存在します。
では老化現象以外で膝を悪くしてしまう原因とはいったい何なんでしょうか?
まず、あなたの過去を振り返ってみましょう。
あなたが今膝を悪くするまでにこれまで歩く、走る、しゃがむ、立ち上がる、階段をのぼる、降りる、などでたくさん膝を使ってきたと思います。
その時間は数十年ですから、膝を酷使してきたとも言えるでしょう。
しかし、同い年ぐらいの方でも逆に「膝が全く痛くない」という方がいるのも事実なのです。
ではその違いは一体何なんでしょうか?
そこに、膝が痛いのは単なる老化現象によるものとは言い切れない理由があります。
では、本題に入っていきます。
日常生活を送る上で膝関節を使う運動とは一体どういうものでしょうか?
もう一度考えうるものを挙げてみましょう。
膝を使う運動は、
歩く、走る、しゃがむ、立ち上がる、階段をのぼる、降りる、ジャンプする、ボールを蹴る
というところでしょうか?
これらの動きをすべて想像していただいた上で、あることに気づきませんか?
実はこれが今回のテーマ「変形性膝関節症の本当の原因」のヒントになります。
そうです。日常生活で行う全ての運動で膝関節単独で行う運動というのは無いのです。
少なくとも足関節、膝関節、股関節など下半身の関節が協力する連動した動きになっています。
そしてそれには、役割分担があってそれぞれがどのぐらい動くというような仕事の割り当てがされているのです。
それが運動学的に正常範囲内であれば、関節が壊れるリスクは最小限に抑えられて膝の痛みは出にくくなります。
問題なのは、ある関節が何らかの理由で動きが悪くなったときです。
例えば、しゃがむという行動を例に挙げてみましょう。
しゃがむ行為は「股関節を曲げる、膝関節を曲げる、足関節を曲げる」という運動が合わさって行われています。
正常であればそれぞれの動きの割合が
股関節4:膝関節4:足関節2
の割合で動きます。
しかし、もし仮に股関節の動きが4から3に落ちてしまったらどうでしょうか?
その場合、他の関節がその分を補うということをします。
股関節3:膝関節5:足関節2
このように、股関節の仕事を膝関節が受けてしまった場合、そこに通常ではかからない大きな負担となってのし掛かります。
そしてその負担がこの動きをするたびに掛かり続けるわけです。
[膝にかかる負担×動いた回数>膝の耐用力]
そうして長い年数そのような力がかかり続け、膝が耐えられなくなると、内部の軟骨の破壊が進んで変形性膝関節症になっていくのです。
これが多くの人が変形性膝関節症で苦しめられている本当の原因です。
まとめ
変形性膝関節症の原因をまとめると、
老化現象は変形性膝関節症になる原因の一部に過ぎない
人間が行う運動に膝関節単独で行うものはなく、複数の関節が協調して行う
股関節が固くなって可動域が減少すると、他の関節がそれを補う事になる
膝関節は股関節の動きを補うことが多い
膝関節の負担が増えてそれが長年に渡ると膝の耐用力を上回る
さらにそのまま生活を送っていると膝の変形が進む
膝の負担が耐用力を上回らない限りは膝は壊れない
という流れになります。
早めに気づいて、一刻も早くその原因を取り除くことが変形性膝関節症の予防に繋がります。
一生涯共にする大切な体ですから、正しく見極め原因を解決していきましょう。
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