膝の痛みで病院を受診し、MRI検査で半月板損傷と診断されて、担当のお医者さんから手術を提案されるケースがよくあります。
しかし、
「できることなら膝にメス入れたくない!」
「手術をしないで治療する方法があれば、その方が良い!」
そう思ったことはないですか?
はたして半月板損傷を起こした場合、手術は絶対に必要なのでしょうか?
また、手術をせずに治す方法はないのでしょうか?
私の意見としては、あるケースを除いては手術をしなくても大丈夫です。
そう言うのには、ちゃんとした理由があります。
ではなぜ手術をしなくても大丈夫なのか、詳しく説明していきます。
その前に、まず膝の仕組みについて理解しておいたほうが良いでしょう。
こちらの記事をまだ見ていない人はぜひチェックして見てください。
半月板損傷に手術は絶対必要なのか?
そもそもなぜ、膝にメスを入れるというリスクを負ってまで、手術をするのでしょうか?
それは、膝の違和感や動かしづらいなどの機能的な問題を、手術によって解決できるかもしれないからです。
しかしベストなのは、手術をせず保存療法で改善させることであり、それが保存療法では難しいとなった場合に、はじめて手術を選択するべきなのではないでしょうか?
そうです。手術はあらゆる治療の最後の手段です。
半月板損傷は、全てが手術を必要とするわけではありません。
手術の方法は大きく分けて2つ
手術の方法は大きく分けてこの2通りになります。
半月板縫合術
半月板を糸で縫い合わせる手術です。
この場合は損傷度合いが軽い場合に行われます。
具体的に言うと、半月板が縦や横に亀裂が入ってしまっている場合で、縫合することで亀裂を修復することができる場合には、この方法が採用されます。
半月板切除術
半月板の損傷部分をハサミなどで切り取る手術です。
これは半月板が修復できない状態、例えば損傷が激しかったり、切れかかっている場合などは縫い合わせることはできないため切り取ってしまいます。
そして、その後の再発や損傷悪化のリスクも考えて、半月板を広い範囲で切除する傾向にあります。
半月板は痛みを感じない!?
多くの人が勘違いしていることの一つに、手術をすれば膝の痛みが取れると思っているところです。
半月板切除によって膝の痛みが取れるということはありません。
その理由は、半月板自体に痛みを感じる神経がないからです。
「ではこの膝の痛みは何なの?」ということになりますが、それは膝内部の別の場所から発している痛みなのです。
もし膝の痛みを取るために、半月板の手術をしようと思うのならそれは間違った判断です。
手術が必要なのは頻繁にロッキングが起きたときのみ!
しかし、半月板損傷になった時に手術が必要な場合が一つだけあります。
それは膝のロッキングを起こした時です。
この”ロッキング”とは何なのでしょう?
ロッキングとは、膝を伸ばそうとした時に伸ばしきる前に膝関節の中で半月板が挟まって動かなくなる現象のことです。
これは半月板損傷で半月板がめくれたり亀裂が入り、それが関節の隙間に挟まったり、亀裂の中に骨がはまって膝の動きを妨げることで起こってしまいます。
何かの拍子で、引っ掛かりが取れたりすると、ウソのように普通に動くようになるのです。
しかしなんども膝のロッキングが繰り返されると、半月板損傷がひどくなってしまいますので、やはりこの場合は半月板損傷が悪化する前に手術するのが一番良い方法だと言えます。
もしロッキングが始まった時は、放っておかずに早めに対処した方が良いでしょう。
まとめ
ここまでの内容をまとめると、
・半月板損傷と診断された場合にまず注意することは、膝の痛みを取る目的で手術を選択してはいけない。
・何故ならば半月板に痛覚神経はなく、よって半月板損傷が膝の痛みの原因ではないから!
・膝のロッキングが起こる場合は、医師と相談をして手術も視野に入れる。
と言うことでしたね。
半月板は膝を支える上で必要な組織。将来的に考えてもできるだけ取らない方が膝にとっても良いにこしたことはありません。
永く自分の体と付き合っていくためにも、慎重に判断していきたいものです。
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