膝の痛みを訴える人で、「膝を曲げると痛い」という人はとても多く、これによって正座ができない、しゃがめないなど日常生活で苦痛を感じ、長年悩まされつづけてしまいます。
あなたもその一人ではありませんか?
ではこの”膝を曲げると痛い”というのは一体何が原因で起こっているのでしょうか?
これは簡単なようで少し複雑な要素が絡んで起こっていることが多いのでその辺りをわかりやすく説明していきます。
膝を曲げると痛いのは膝関節付近に3つの原因が隠れている
膝を曲げるときに痛みが出るのは、膝関節周囲に細かく分けて3つの原因が考えれられます。
これらはどれか一つだけであっても膝の関節運動を妨げるものとなります。
では一つずつ解説していきます。
太ももの前の筋肉が引き伸ばされて痛くなる
膝を曲げる動作は、太ももの筋肉にも左右されます。
関節を曲げるとき、太ももの前にある大腿四頭筋が伸びる必要がありますが、その筋肉が固くなってしまって伸びないとなるとどうでしょうか?
そうです。膝を曲げる運動を妨げてしまいます。その状態からさらに膝を曲げていくと痛みが起きるということになります。
太ももの裏の筋肉の収縮力が足りない
太ももの裏の筋肉はハムストリングスと言いますが、その中に半膜様筋という筋肉があります。
実はこの筋肉が膝関節を曲げるときに、とても重要な役割を果たします。
それは、関節包という関節を包む袋を上に引き上げて、たるまないようにする役割です。
この機能がないと関節包の膝裏部分の一部がたるんで、関節の中に挟まってしまいます。
それを防いでいるのです。
しかし、ハムストリングスの収縮力が足りないとそれが十分にできず、関節包が引っかかって痛みを起こしてしまいます。
膝を曲げるときに関節運動に異常がある
膝関節は一見すると、単純に曲げたり伸ばしたりしているように思いますが、関節の中では複雑な動きをしています。
その特徴的な形状ゆえに、2つの動きをタイミングをずらしながら同時に行なっているのです。
それは、関節面上を滑りながら転がるという動きです。
膝の関節運動に関して詳しく知りたい方はこちらをチェックしてください。
これが一連の動きとして行われて、初めてスムーズな膝の曲げ伸ばしができるのですが、少しでもそのタイミングがずれたり止まってしまったりすると、膝を正しく曲げることができません。
その状況で膝を曲げてしまうと関節に歪みが起こって、痛みを発してしまいます。
膝を曲げるときに起こる痛みを解決する3つの治療法とは?
これにはご自身でケアできるものと、専門家に委ねるものがあります。
原因に応じて治療の方法が変わりますので一つずつ解説していきます。
太ももの前の筋肉を柔らかくする
マッサージやストレッチで大腿四頭筋を柔らかくすることです。
マッサージは筋肉に揉んだりさすったりと直接刺激を与えて柔らかくすることができ、ストレッチは、ゆっくり筋肉を伸ばし続けることで、次第に柔らかくなっていく方法です。
これはご自身でも自宅で行うことができます。
もし太ももの前が固い自覚がある方は、一度セルフでマッサージやストレッチをしてみましょう。
太ももの裏の筋肉がしっかり収縮できるようにする
これは太ももの前の筋肉がそれほど固くない人に可能性があります。
大腿四頭筋に膝を曲げる妨げの要素はないということです。
その場合にハムストリングスがしっかり収縮できていない可能性があるという仮説を立てます。
この原因は神経伝達に異常がある場合があり、坐骨神経の出口や腰の骨を検査して異常があれば、その場所を治療します。
関節の運動を正常に復活させる
膝関節に限らず関節全般の動きには、関節運動をスムーズに行うために「遊び」と言うものが存在します。
しかし、膝を曲げるときに痛みが出る人は、例外なくこの関節の遊びがなくなっているのです。
この遊びを復活させる方法というのがあります。
AKA(関節運動学的アプローチ)や関節モビリゼーションというような専門家による施術によって、行えます。
このテクニックで関節の転がり、滑り運動を元に戻して膝の曲げ伸ばしの運動をスムーズに行うことができる方法です。
この方法は技術を習得した専門家に施術してもらう必要があります。
まとめ
このように膝を曲げる際に痛みが出るというのには3つの原因が考えられ、その原因に応じて治療法も変わるということです。
痛みの原因は単純なものではないというのが分かっていただけたと思います。
膝の痛みに関するご相談もお待ちしております。
お気軽にお電話、メール、LINEでメッセージをお待ちしております。
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