「ぎっくり腰は一回なると癖になる」
今までにこの言葉を患者さんから何度聞いたかわかりません。
確かに一度起こすとその後定期的にぎっくり腰を起こすケースはとても多いです。
そして私の腰痛は一生治らないものだとネガティブに考えてしまいがちなのもよく分かります。
しかしよく考えてみましょう。
もしぎっくり腰痛悪化のサインだとしたら?その裏に隠れている体の異常があるということになります。
今回は、なぜぎっくり腰が癖になってしまうのか?その本質的な原因に迫りたいと思います。
そもそも完治していない
例えばぎっくり腰を起こしても1日2日安静にしていたり、コルセットを着けていることでぎっくり腰の症状は楽になります。
しかしこれは完治したわけではありません。
実際には表面化した症状がなくなっただけで、いつでもぎっくり腰を起こしてしまう状態には変わりありません。
対処療法で症状が軽くなっても筋肉の体を支える力は弱いまま
痛みがなくなることが完治だと思っている人が多いように思います。
それでは本当に腰痛から離れることはできません。
これが腰痛持ちの人の最大の勘違いです。
それが対処療法によって炎症が治まり症状が緩和されることでそのように思ってしまいます。
そもそもぎっくり腰というのは体重負荷が支える力を上回った時に起こるもので、炎症が治まったことで体重負荷と支える力がイコールになった状態にすぎません。
これはコップの水に例えることができます。
ぎっくり腰の発症はコップの水があふれた状態だとすると、ぎっくり腰が一時的に良くなったということはコップにまだ水が満杯に入っている状態で、そこに一滴でも入るとすぐに症状が出るというギリギリの状態ということになります。
だから何度もぎっくり腰を繰り返してしまうのです。この現象を「ぎっくり腰が癖になる」と解釈しているというのが私の見解です。
体重負荷>支える力
ぎっくり腰の発症
体重負荷=支える力
一時的に治った状態だが、再発のリスクをはらんでいる
体重負荷<支える力
大きな負荷がかかっても体が余力のある状態
ぎっくり腰を繰り返さないためには、重力負荷に耐えられる体を作ること
体の重力負荷に耐えられる体を作る方法は3つあります。
1つ目は、筋肉を柔らかい状態に保つこと。
2つ目は、歪みを放置せず常に整えておくこと。
3つ目は、姿勢を常に意識することです。
これらが合わさると体を支える能力は最大化し結果的にぎっくり腰の予防になります。
普段から心がける骨盤周り2つのケア
筋肉のケア
筋肉が固い人は、体の動きに遊びがないため、少しの動きでも大きな負担がかかりぎっくり腰のリスクは高くなります。
体の筋肉特に骨盤周りや太もも周りの筋肉を柔らかい状態に保つことが必須になります。
朝晩や日中にも前屈、開脚、伸脚のストレッチをこまめにしましょう。
骨の歪みのケア
骨の歪みがおこるだけで筋肉は緊張を起こしてしまいます。
ぎっくり腰になりやすい人は片側の筋肉に極度の緊張が起こっています。
その場合、筋肉を直接ほぐすよりも骨の歪みを整えてあげるだけで緊張が緩和します。
まとめ
まずはぎっくり腰という現象を正しく理解して前向きに考えること
ぎっくり腰は一回なると癖になるからあまり動かさないというマイナスの考え方をするのではなく、筋肉や骨の歪みなどの要因で体の支えが効かなくなってきていると考えましょう。
予防することに積極的に取り組む
よって対策すれば再発しない体を作ることができるわけですから、普段の日常から意識して予防することに積極的に取り組んでいきましょう。
コメント