膝の治療は大きく保存療法と外科手術療法に分けられます。
保存療法とは外科手術療法に対する言葉で、体を傷つけずに症状を緩和させる治療方法のことを言います。
体にメスを入れないため負担が少ないので画期的な治療法と言えます。
しかし全てが保存療法でまかなえるということは難しく、痛みや症状の度合いに応じて選択する必要があります。
では外科手術療法と保存療法にはどのようなものがあるのか、それぞれ詳しく見ていきましょう。
外科手術療法
皮膚を切開して、関節内部にまで入り込み以上のある部分を改造、または切除する治療法です。
手術道具としてはメスや関節鏡を使います。
手術終了後すぐに、またはしばらくしてからリハビリを行い、膝関節の動きを確認したり、筋力をつけたりして日常生活に戻れるレベルにまで回復させていきます。
手術は体にかかる負担が大きい分、即効性があり、比較的早く治療が完結するのが特徴です。
変形性膝関節症の手術
変形性膝関節症の進行度合いが進んでいる場合は人工膝関節置換術という手術を行います。
この手術は膝の変形が進んでいる部分、または関節全体を人工関節にしてしまって膝の機能を復活させようという目的で行われます。
人工膝関節の耐用年数は一般的に15年ほどと言われています。
半月板、靭帯損傷の手術
半月板損傷、靭帯損傷の手術には一般的に関節鏡と言われる内視鏡を使用します。
膝関節周辺に数カ所穴を開けてそこからカメラや棒状の鉗子を挿入して行います。
半月板損傷の手術は、損傷が軽い場合は再建術で損傷部位を縫ったりして修復します。
損傷がひどい場合は切除術になり、損傷したり、めくれた半月板を切り取って綺麗に取り除きます。
靭帯損傷の場合は再建術になります。
太ももの腱を膝に移植する方法が一般的で、移植した腱が靭帯の役割を担います。
保存療法
保存療法には様々な考え方があるため、治療法も多様です。
運動器に於ける保存療法は、大きく病院で行う治療と整体などの民間で行う治療に分かれます。
病院での治療
装具による固定
これは金具の入った装具を膝につける事で膝関節を固定し、運動を制限して炎症を取り除くという方法です。
固定するので膝の動きが大きく制限され、動きにくくなります。
ヒアルロン酸関節注射
この方法が保存療法で比較的多く取られている治療法になります。
関節の中に注射しヒアルロン酸という関節内の栄養剤を注入するという方法です。
また膝に水が溜まっている場合は溜まった水を抜いた後にヒアルロン酸を注射して入れます。
湿布
主に冷湿布を使って、関節の炎症や痛みを取り除く治療法です。
湿布の中には消炎鎮痛剤の薬剤が塗り込まれているため、貼る事で皮膚表面から薬剤が浸透して痛みを緩和させるというものです。
整体療法
カイロプラクティック
カイロプラクティックという方法は、背骨や骨盤などの関節を矯正するものでアメリカ発祥の技術になります。
世界ではカイロプラクティックはスタンダードな施術でアメリカやヨーロッパでは医師と同等の資格を与えられます。
日本では民間療法として普及しており、医師が行う治療行為ではありませんが大きな効果を発揮する事で期待が高まっています。
関節を矯正する事で体の重心バランスを変え、関節にかかる負担を大きく減らすことができます。
関節運動学的アプローチ(AKA)
AKAとは関節に軽い刺激を入れることで関節の正しい動きを誘導して復活させる施術です。
日本の医師が考案した治療法で、理学療法士の間でも広く使われています。
可動域が広がることで関節の負担を無くし、痛みを取り除きます。
このように様々な治療法を紹介させていただきましたが、ポイントなのは今の膝の状態にはどのような治療が合っているかということです。
一時的な炎症を取り除くだけでいいのか?また根本的な原因を取り除いて長引く痛みを取るのかでも大きく治療法は変わります。
自分にあったより良い治療法を見つけるには、一つに偏るのではなく、それぞれの専門家に独自の意見を聞くのも良いでしょう。
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