首の痛みで診断を受けた病名は「頚椎椎間板ヘルニア」。
病名だけ聞くといまいちよく分からないこの病気、実際にはどんな症状が出るのでしょうか?
今回は頚椎の椎間板ヘルニアについてその特徴的な症状と、それに似たような病気についてお伝えします。
頚椎椎間板ヘルニアとは?
頚椎は背骨の中でも最も可動域が大きな場所ですが、その理由は椎骨と椎骨の間に椎間板というクッションがサンドイッチのように挟まっているからです。
これがあるために様々な方向に頭を動かすことができるのです。
しかしその代償として、椎間板には大きな負担がかかってしまいます。
大きな力が掛かり続けているとやがて潰れてしまって後方に飛び出してしまいます。
これが頚椎椎間板ヘルニアです。そして問題はこのヘルニアがすぐ後ろにある神経を圧迫するという所にあります。
首には脳から繋がった脊髄という中枢神経の束があるため、とても重要な場所です。
首の骨から出る神経は肩から腕の筋肉や皮膚感覚に繋がっているので、ヘルニアが起こると首肩腕に様々な症状が出る事が特徴です。
基本的には片方の肩から腕にかけて症状が出る事が多いですが、これはヘルニアが左右どちらかに飛び出すのが一般的で脊髄から枝分かれした左右どちらかの神経を圧迫するというのが通常だからです。
それに対してヘルニアが真後ろに飛び出すと左右両方の腕、または下半身にまで症状が出ます。
これは脊髄自体の圧迫を引き起こすために左右に関係なく症状が起こり重症化します。
しかしこれはとても稀なケースです。
では具体的にどのような症状が起こりやすいのでしょうか?
頚椎椎間板ヘルニアの症状
筋肉の異常な凝り感
普通の肩こりとは違った、痛みを伴うような強い凝り感が現れる事があります。
圧迫された神経の影響を受けて起こります。
神経痛(圧迫された神経に沿っての鋭い痛み)
神経痛は普通の痛みとは違いビリッとするような鋭い痛みです。
特に首を動かした時に強く症状が出て、肩や背中、腕の方にまで痛みが広がるケースがあります。
肩から腕にかけてのしびれ
頭を右に倒すと、右肩から腕にかけてしびれが強くなる、左に倒すと左肩から腕にかけてしびれが強くなる、といった症状です。
また頭を後ろに倒すと、片方の肩から腕にかけてしびれが強くなるというのもあります。
これは首を横に倒したり上に向いたりする事で神経の圧迫が強まってしびれを起こすというものです。
感覚が鈍くなる
神経の圧迫を起こす事で、皮膚感覚に影響が出ます。
具体的には触られても鈍く感じる、ティッシュの上から触られているように感じる事が多いです。
力が入りにくくなる
腕の力や手の力が入りにくくなる、握力が弱くなるというような事が起こります。
これは神経が腕や手の筋肉を支配しているからです。
玄関の鍵がうまく握れなかったり、フライパンや食器、お箸を落としてしまったりと、自分では力を入れているつもりなのに神経の圧迫が原因で力が入らないという事が起こります。
頚椎椎間板ヘルニアと間違えやすい病名
これはヘルニアと同じように神経を圧迫する病気なのですが、椎間板ヘルニアによって圧迫されているものではなく別の場所で圧迫が起こっているものです。
ですから原因が全く違うということになります。
代表的な病名は胸郭出口症候群です。
胸郭出口症候群とは神経が首から出て腕に行くまでの鎖骨から胸付近(胸郭出口)で圧迫を起こすものです。
この場所は筋肉や骨の間を神経が縫うように走行するため神経の圧迫を起こしやすくなり、症状は頚椎椎間板ヘルニアとかなり似ています。
実際に区別するには病院でMRIを撮り、椎間板の突出が認められない場合に可能性が濃厚になります。
そして胸郭出口症候群、頚椎椎間板ヘルニアになりやすい人には、ある決まった9つの特徴があります。
詳しく知りたい方はこちらをチェックしてみてください。
上記の症状が複数当てはまる場合はまず病院に行きましょう。
そして詳しい検査を行って診断を受けることをおすすめします。
頚椎椎間板ヘルニアは放っておいて症状が悪化すると、治りにくくなります。
逆に早めに分かると症状の悪化を抑える事ができます。できるだけ早期に対処しましょう。
そして頚椎椎間板ヘルニアと診断された場合、症状の悪化は日々の心がけでかなり抑える事ができます。
日常生活で行える対策についてはこちらをチェックしてください。
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