脊柱管狭窄症の代表的な4の症状とやってはいけないこと

脊柱管狭窄症と言う言葉を聞くと、「腰の病気」という風に答えることはできても、どんな病気かを知っている人はほとんどいません。

しかしそれでは、正しいケアはできません。

”脊柱管とは何か?” ”狭窄とはどう言う状態を言うのか?” と言うように、ひとつひとつ知っていくことで、「何をすれば良いのか?」また「何をしてはいけないのか?」が明確になり、症状を悪化させることがなく、脊柱管狭窄症をうまく付き合っていくことができます。

この記事では、脊柱管狭窄症についての基礎知識と、やってはいけないこと、症状緩和のためにこれだけはやってほしいことをできるだけお伝えしていきます。

脊柱管狭窄症は「得体の知れない病気」ではないことが分かります。

必ず最後まで読んでいただき、症状悪化の予防、改善にお役立てください。

腰部脊柱管狭窄症とは?

脊柱管

私たちの体には、たくさんの神経が全身に張り巡らされています。

それによって、手や足の筋肉を動かしたり、手で触れたものを知覚として感じることができています。

その中の下半身(腰から足先)につながる神経に影響を与える病気の一つに、脊柱管狭窄症というものがあります。

背骨には脊柱管という管が存在し、その中に脊髄(脳から繋がる中枢神経の束)を通しています。

その背骨の腰椎部分において脊柱管が狭くなり、中の脊髄神経を圧迫して下半身の痛みや痺れを起こすのが、腰部脊柱管狭窄症なのです。

腰部脊柱管狭窄症の代表的な4の症状

片側または両側に起こる腰から下肢の痛みと痺れ

太ももの裏を押さえる男性

主な症状は、腰から足にかけての痛みと痺れを伴う坐骨神経痛の症状が起こります。

圧迫する場所や圧迫の強さによって、症状の出方は様々で、片側に出る場合も両側に出る事もあります。

症状が出る場所の詳しい解説に関しては、こちらのページでご覧いただけます。

痛みの場所から分かる坐骨神経痛原因の見つけ方

下半身の感覚が鈍くなる

足に力が入りにくくなったり、歩いていてもつまずきやすくなります。

また、足の裏の感覚が鈍くなると、変な違和感を感じます。

例えば、「足の裏にお餅がくっついているような感覚」「紙が一枚敷かれている感覚」になります。

片側、または両方の足先が異常に冷える

脊柱管狭窄症は神経に影響を与えると言いましたが、同時に下半身の血流にも問題を起こします。

下肢の血流が極端に悪くなるせいで、下半身が(特に足先側に強く)寒くもないのに異常な冷えを感じることがあります。

間欠性跛行

腰痛で歩けない男性

間欠性跛行とは、歩き始めてしばらくすると、足に力が入らなくなってしまって動けなくなりますが、

その場でしばらく休憩するとまた普通に歩けるようになる、これを何度も繰り返すという症状のことを言います。

間欠性跛行は他の病気でも見られますが、腰部脊柱管狭窄症の特徴的症状でもあります。

脊柱管狭窄症の人がやってはいけない3のこと

脊柱管狭窄症の症状悪化を防止するポイントは、腰椎部分の脊柱管にいかに負荷をかけず生活をしていくかになります。

私たちの日常生活では、無意識に脊柱管に負担をかける動作や姿勢がたくさんありますので、それらを紹介していきます。

長い時間の座り姿勢の習慣化

椅子に座る女性

長時間同じ姿勢で座っていることは、脊柱管狭窄症にとってはかなり不利に働きます。

理由は、腰椎前面に付着している大腰筋(だいようきん)という筋肉が固まってしまうことにあります。

この筋肉は座り姿勢の際、上半身が後ろに倒れないように常に緊張しているため、座り姿勢が長くなると、緊張状態が長くなってやがて固まってしまうのです。

そうすると、立ち上がったときに大腰筋が伸びなくなって、結果腰椎を前方向に引っ張ってしまい、脊柱管に負担をかけます。

長い座り姿勢→立ち上がりの動き→長い座り姿勢→立ち上がりの動き

この繰り返しで、ますます症状が悪化してしまいます。

腰を動かすハードな運動

サーブをする女性

脊柱管狭窄症の人が、腰にむやみに負荷をかけてしまうのはNGです。

体幹の大きな屈伸、そして腰にひねりを加えるような激しい運動は絶対に控えましょう。

前傾姿勢が続く作業

ガーデニングを行う女性例えば庭の草むしりや、ガーデニングなどは、体幹の前傾姿勢を余儀なくされるため、気を付けなけれないけません。

これも長時間の座り姿勢同様、大腰筋に大きな負荷をかけてしまいます。

それでも、どうしても好きで辞められないという方は、30分に一度必ず休憩を取って、体を伸ばしたり、膝の屈伸やもも上げをして、大腰筋を定期的に動かしてあげましょう。

症状を緩和させるために日常生活でやってほしいこと

ここまでだと、症状の悪化は防ぐ事はできても、良くなっていくことはありません。

そこでここからは、脊柱管狭窄症の症状を少しでも緩和してもらうために、日常生活で是非やっていただきたい2つのことがあります。

日常生活の中にぜひ取り入れてみてください。

軽いウォーキング

ウォーキングをする男女もし症状が悪化するのが怖くて、普段から動かないでいるという方は、軽いウォーキングから始めてみましょう。

無理せず自分のペースで構いませんが、この時のウォーキングのコツは、前に出す足ではなく後ろの足を強く意識して歩いてみましょう。

つまり、ペタペタと足音を立てて小さい歩幅で歩くのではなく、後ろ足のつま先で地面を蹴ることにフォーカスするのです。

ポイントはただ歩くのではなく、後ろ足でしっかり蹴ることで、股関節前面から太もも前側が伸びることが目的になります。

太もも前側のストレッチ

大腰筋ストレッチ

もうひとつしてもらいたい事が、太もも前側のストレッチです。

まずは無理をしない程度に、太ももの前を片側ずつ伸ばしていきます。

それでは、今からその方法を説明します。

①両膝を立てて膝立ちになります。
②ストレッチする側と反対の足(上の図は右足)を前に出して、膝を90°に曲げます。
③その前に出した足を、さらに少しずつ前に移動させていくと、股関節の前面が伸び始めて、上の図の様な姿勢になります。
④そして、程よく左の股関節前面と太ももが伸びていると感じたら、その姿勢で30秒キープ。
⑤反対側も同様に行います。

このストレッチを毎日、1ヶ月間続けてみましょう。

人によって、体の硬さはそれぞれなので、ちょうど良いと思うくらいの強度で行う様にしてください。

くれぐれも、やりすぎや強度のかけすぎは逆効果の恐れがあるため、注意しながら行ってください。

まとめ

脊柱管狭窄症を治す、症状を緩和させる最大のポイントは、やってはいけないことと、やるべきことを明確に分けて、それを正しく実行する事に尽きます。

そしてそれを継続すれば、少しずつではありますが、確実に変化の兆候が現れてきます。

ウォーキングする前にストレッチをしておくと、より効果的になります。

ここまで読み進めていただいて、脊柱管狭窄症のことが少しは理解できたと思います。

明日の快適な生活のために、まずは一歩踏み出してみましょう。

脊柱管狭窄症で手術をしてはいけない理由

コメント

  1. […] 脊柱管狭窄症について。その症状とやってはいけないこと […]

  2. 榊原修 より:

    脊椎管狭窄症のすべり症と診断されました。よって手術が必要と医師に言われました。
    すべり症は手術をしないと痛みは解消しないということですが・・・・他に方法があれば教えてください。

    • takashiuenishi より:

      コメントありがとうございます。当時のMRI診断時の医師の見解や、現在の症状が分かりますと非常に助かります。もしよろしければ、個別のメールアドレスに詳細をいただければ幸いです。HPのお問い合わせページからメッセージお待ちしております。よろしくお願いいたします。

タイトルとURLをコピーしました